逸失利益を否定されやすい後遺障害とは

交通事故では、被害者にさまざまな後遺障害が残るケースがあります。

一般的に、後遺障害が残ると労働能力が低下するので「逸失利益」を請求できますが、後遺障害の種類によっては逸失利益が否定される可能性があり、注意が必要です。

 

逸失利益を否定されやすいのはどのような後遺障害で、その場合どのように対応したら良いのでしょうか?

 

今回は、逸失利益を否定されやすい後遺障害について、解説します。

 

1.逸失利益は「労働能力喪失」を前提としている

交通事故で後遺障害が残ったら、「逸失利益」を請求できます。逸失利益とは、後遺障害によって労働能力が低下するために発生する、将来の減収による損害です。

後遺障害が残って身体が不自由になると、事故前のように効率的に働くことができなくなって、減収が発生します。

そこで、生涯にわたる減収分を「交通事故によって発生した損害(逸失利益)」として、加害者に賠償請求できるのです。

 

ところで、逸失利益は、労働能力が低下したことによって発生するものですから、後遺障害によって労働能力が失われたことが前提です。

後遺障害が残っても、労働能力に影響がなかったら、逸失利益を否定される可能性が高くなります

 

2.逸失利益を否定されやすい後遺障害

実際に、交通事故の後遺障害には、労働能力への影響が小さいものがいくつもあります。

以下で、代表的なものを挙げます。

2-1.外貌醜状、醜状痕

外貌醜状とは、顔や頭、首などの露出する部分にやけどやアザ、線状痕や陥没などの醜状が残る後遺障害です。腕や脚などに醜状が残った場合にも、醜状痕として後遺障害認定されます。

 

外貌醜状などの醜状痕の後遺障害が残っても、労働能力には影響しないケースが多数です。

よって、後遺障害を否定される可能性がありますし、モデルや営業マンなどのケースで逸失利益が認められるとしても、一般的なケースより減額されることが多いです。

 

2-2.足の短縮傷害

片脚が1センチ以上3センチ未満短縮した場合は、足の短縮障害として後遺障害認定されますが、この程度の短縮では労働能力への影響が小さいです。

そこで、逸失利益を否定されやすいです。

 

2-3.味覚障害、嗅覚障害

交通事故によって味覚がわからなくなったり嗅覚を失ったりするケースもあります。

こういった場合、調理師でもない限り労働能力に影響があまりないので、逸失利益を否定されやすいです。

 

2-4.歯牙障害

歯牙障害とは、歯を失う後遺障害です。

現代の医学によると、たとえ歯を全部失っても入れ歯やインプラントなどで一応普通通りに生活できるように治療できます。

そこで、労働能力には影響がないとして、逸失利益を否定されやすいです。

 

2-5.脾臓の摘出

脾臓を摘出した場合にも後遺障害認定されますが、日常生活や仕事にはほとんど影響しないケースが多いので、逸失利益を否定されやすいです。

 

2-6.生殖器の障害

交通事故で生殖器に影響が及び、子供を作れない身体になってしまうケースがありますが、この場合にも、労働能力とは無関係なので、逸失利益を否定されることが多いです。

 

2-7.鎖骨、脊柱の変形

鎖骨や脊柱が変形した場合にも、それぞれ後遺障害が認定されますが、労働能力には影響しないことが多いので、逸失利益を否定されやすいです。

 

3.後遺障害慰謝料が増額されるケースが多い

以上のように、後遺障害が残っても逸失利益を請求できなかったり減額されたりするケースは意外と多いです。

上記のような場合、保険会社との示談交渉では、「逸失利益が発生していないので支払いはできない」と言われます。

ただ、上記に該当する後遺障害でも、被害者の職種や状況によっては逸失利益を請求できる可能性があります。

また、逸失利益が認められなかったり減額されたりしたときには、その分後遺障害慰謝料を増額して支払ってもらえるケースが多数です。これを、慰謝料の補完作用と言います。

 

裁判を起こすと、たとえ後遺障害逸失利益を否定されても慰謝料が数十万円~数百万円増額されるケースが多々あります。

 

後遺障害が残って相手の保険会社が逸失利益を否定しても、諦める必要はありません

アジア総合法律事務所では、福岡、九州を中心に全国で発生した交通事故に対応していますので、納得できない場合には是非ともご相談下さい。

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