交通事故の「定期金賠償」とは?

交通事故では「将来介護費用」などの「将来の損害」について加害者に賠償請求することがあります。

将来の損害賠償金については、一般的には示談時に一括して受け取りますが、保険会社からは「定期金による支払い」を提案されるケースがあります。

 

定期金賠償とはどのようなことで、どういったメリット・デメリットがあるのでしょうか?

 

以下で弁護士が詳しく解説します。

 

1.定期金賠償とは

1-1.定期金賠償とは

いきなり「交通事故の定期金賠償」と言われても、聞き慣れない言葉なので何のことかわからない方が多いでしょう。

 

定期金賠償とは、交通事故によって発生した損害を、示談時に一括ではなく将来にわたって定期的に分割で払ってもらうことです。定期金賠償が適している損害は、将来介護費用や車いすの買い換え費用、車の改造費用などの将来にわたって発生する費用です。

 

定期金賠償が認められるのは、示談時に一括払いする方法に以下のような問題があるからです。

 

1-2.     示談時に一括払いすることの問題点

将来にわたって発生する損害を示談時に一括払いすると、現実に必要とされる金額と大きくかけ離れた金額になる可能性が高いです。たとえば、介護費用を平均余命までとして計算して支払ってもらっても、途中で被害者が亡くなってしまう可能性もあります。また、自宅介護を前提として費用支払いを約束しても、途中で施設介護に切り替えるかもしれません。

 

また、将来介護費用を計算するときには「中間利息」を控除します。中間利息とは、将来の運用利益のことです。被害者は、本来であれば介護費用をその都度受けとることになるので運用できないはずですが、先に一括で受けとると、そのお金を運用にまわして利益を得ることになります。そこで、将来介護費用を計算するときには年5%の割合で計算された中間利息を控除されます。

しかし、現実的にはお金を年5%で運用することは難しいので、中間利息の控除が行われると、現実に必要な介護費用よりも支払い額が減ってしまう可能性があります。

 

1-3.保険会社が定期金賠償を提案する

このように、一時払いにはさまざまな問題があるので、保険会社は被害者に対し、将来介護費用を分割払いでその都度支払う、と提案してくることがあります。

たとえば、一括払いする場合には将来介護費用が5000万円になるけれど、そうではなく、被害者が亡くなるまでの間、毎月25万円ずつ介護費用を支払うなどと言ってきます。

この場合、後遺障害慰謝料や逸失利益などの他の損害については一時払いするので、先にそれらのまとまった賠償金を受けとり、残りの介護費用のみを定期金賠償で支払ってもらうことになります。

 

2.定期金賠償のメリット

それでは、定期金賠償は被害者にとってメリットがあるのでしょうか?

まず、中間利息を控除されないというのは大きなメリットです。

定期金賠償の場合、実際に発生する介護費用をベースに毎月控除なしで全額支払ってもらえるので、平均余命まで生きた場合には、受けとれる金額が大きくなりやすいです。

また事情の変更が発生したときに話合いに応じてもらいやすいということもあるでしょう

一時払いであれば、支払い時にすべての賠償問題が清算されるので、示談後に何が起こっても介護費用の増額には応じてもらえません

 

3.定期金賠償のデメリット

しかし定期金賠償にはデメリットも大きいです。

まず、いつまでも加害者の任意保険会社との関わりが継続し、交通事故の問題を引きずることになってしまいます。「早く忘れたい」という被害者も多いので、このことは精神的に負担となるでしょう。

長い人生において、保険会社が倒産したり営業停止となったり、方針が変わって支払いに応じなくなったりする可能性もあります。

また将来介護費用が不要になったりかかる金額が減ったりしたら、相手から定期金の減額を要求されたり打ち切られたりするおそれもあります。

 

このようなリスクを考えると、定期金賠償は被害者にとって良いことばかりではありません。

 

4.定期金賠償にすべきか迷ったら弁護士にご相談下さい。

示談交渉をしていると、保険会社から「定期金賠償」を提案されて混乱される被害者の方が多いです。

定期金賠償には問題も多いので、受け入れるとしても慎重な検討が必要です。裁判でも定期金賠償を認める例は少ないですし、相手の提案を受け入れるべき義務はありません。

 

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