賠償金を受けとると、生活保護を打ち切られる?

交通事故に遭ったら加害者に対して損害賠償金を請求できますが、生活保護を受けている方の場合には問題が発生します。手元に多くの賠償金が入ってくると、保護を打ち切られる可能性があるからです。

今回は、交通事故の損害賠償金を受け取ることによって生活保護を打ち切られるケースはどのようなものか、ご紹介します。

 

1.生活保護の支給基準について

一般的に、「財産のある人は生活保護を受けられない」イメージがありますが、具体的に生活保護の受給基準はどのようなものとなっているのでしょうか?

生活保護法によると、以下のようなケースが生活保護の受給対象とされています。

  • 世帯全員が生活に困窮しており、財産を処分しても生活ができず、親族などの援助に頼ることもできないとき

 

まとまった財産が手元に入ってくると、その財産を処分して生活をすべきと判断されてしまうので、生活保護の受給基準を満たさなくなってしまいます。

そうなると、生活保護費を一時的に受給停止にされたり支給を廃止されたりする可能性があります。

 

2.生活保護を打ちきられる場合と打ちきられない場合

ただ、交通事故の賠償金を受け取ったとしても、必ずしも保護を打ち切られるとは限りません。

交通事故の損害賠償金の金額は、ケースによって大きく異なるからです。

生活保護費を打ち切られるのは、当面の生活費がまかなわれる程度の多額の財産を得たケースに限られます。それに満たない金額であれば、たとえお金が入ってきても生活に困窮する状態が解消されないため、打ち切りはありません。

たとえば、小さな物損事故などで10万円程度しか手元に入ってこないケースなどでは、それによって自活できる状態にはならないので、生活保護費を打ち切られることはありません。

これに対し、人身事故で数百万円単位やそれ以上のまとまった賠償金が入ってきたら、そのお金で生活すべきと判断されて生活保護費を打ち切られる可能性が高まります。

 

具体的にいくらが入ってきたら保護を打ち切られるかについては家族構成などによっても異なるので、交通事故の賠償金が入ってくる見込みがある場合には、受け取り前に、事前に福祉事務所に相談しておきましょう。

 

3.支給停止と廃止について

生活保護が打ちきられる場合には「支給停止」と「廃止」の2種類があります。

支給停止は、一時的に保護を停止するけれども状況が変わったらまた受給が再開されるものです。受給再開時には、再度申請をする必要はありません。

これに対し、廃止の場合には完全に保護の受給を外れるので、後に財産を使い切ったときには再度生活保護の申請をして、審査に通る必要があります。いったん廃止されてしまったら再申請しても必ずしも受給が再開されるとは限りませんし、手間もかかるので注意が必要です。

 

交通事故で賠償金を得たとき、一時停止になるのは、当面は保護費が要らないけれど、しばらくしたら受給が必要になると予想される程度の金額を受け取った場合です。

廃止になるのは、目安として半年以上保護費の受給が不要になる程度の金額を受け取った場合です。

 

 

4.生活保護の返還について

交通事故の損害賠償金を受け取ったとしても、必ずしもこれまで受け取った生活保護費を返還する必要はありません。

ただし、交通事故の賠償金が手元に入ってきているにもかかわらず、そのことを福祉事務所に報告せずに不正に保護費の受給を続けていた場合には、保護費の返還を要求される可能性が高くなります。

交通事故で賠償金が入ってくる予定があるならば、ケースワーカーや福祉事務所にきちんと報告をして、判断を仰ぐべきです。

 

生活保護を受給している方が交通事故の賠償金を受け取るときには、さまざまな配慮が必要です。アジア総合法律事務所では、福岡を中心として九州や全国の交通事故の被害者様からのご相談を積極的に承っておりますので、お悩みの際にはお気軽にお問い合わせください。

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