物損事故で慰謝料を請求できるケース

交通事故でも「物損事故」のケースでは、加害者に慰謝料請求することはできません。ただし、物損事故でも例外的に慰謝料が発生する事案があります。

今回は、物損事故で慰謝料を請求できるケースがどのようなものか、ご紹介します。

 

1.物損事故では慰謝料請求できない

物損事故とは、交通事故が起こっても人が死傷しなかったケースです。たとえば車同士が接触しても、車が損傷を受けただけで人が怪我もしなかった場合や、自損事故でガードレールと自車が傷んだだけのケース、車を駐車しておいたら当て逃げされた場合などは物損事故となります。

物損事故の場合にも、大切にしている車が損傷を受けるわけですから、被害者は精神的苦痛を受けるとも思われます。それでは、物損事故のケースで慰謝料請求できるのでしょうか?

実は物損事故では慰謝料請求が認められていません。慰謝料は、被害者が受けた精神的苦痛に対する賠償金ですから、被害者が強い精神的苦痛を受けたことが前提です。

しかし、交通事故で車が損傷を受けることは、慰謝料が発生するほどの強い精神的苦痛を発生させるものではないと考えられているのです。

車以外の「物」についてはすべて同じです。たとえば大切にしているお財布や衣類、スマホやアクセサリーなどの「物」が損傷しても、相手に慰謝料請求できません。

法律上、動物は物と同じ扱いになるので、ペットが怪我をしたときにも、基本的には慰謝料請求が認められません。

                                                     

2.高級車、愛車の場合

物損事故では慰謝料が認められないと言っても、特別思い入れのある大切な車が壊れるケースがあります。高級外車やカスタマイズを加えた車、レトロ車などで、通常とは異なる車を所有している方もおられますが、こうした車でも慰謝料が認められないのでしょうか?

実際には、このような特別な車であっても、車の損傷による慰謝料は認められていません。

裁判所は、「車の損傷は人の死傷結果とは根本的に異なる」と考えているようです。「車が特別だから慰謝料を支払ってほしい」と主張しても、困難でしょう。

 

3.例外的に物損事故で慰謝料請求できるケース

ただし、物損事故であっても例外的に慰謝料請求できるケースがあります。それは、以下のような事例です。

 

3-1.ペットが死亡、重大な後遺障害が残ったケース

過去には、被害者が大切にしているペット(犬)に重大な後遺障害が残った事案や死亡した事案において、慰謝料が認められた事案があります。

ペットには命があり、家族と同様に捉えている人も多いので、単なる「物」とは異なると考えられているのでしょう。ただし、慰謝料の金額は数万円~数十万円程度であり、人が死傷したときの慰謝料の金額よりはかなり低くなります。

3-2.墓が損壊されたケース

車が墓地につっこみ、墓石が損壊されて骨壺が露出したケースでも、慰謝料が認められたことがあります。

お墓は人が先祖をまつるための特別な場所であり、これが壊されると通常の物が壊される以上の精神的苦痛を感じることは、想像に難くありません。慰謝料の金額としては10万円程度と認定されています。

3-3.家が損壊されたケース

車が家につっこみ、玄関部分を破損したケースでも、慰謝料が認められたことがあります。

この事案では、交通事故時に居宅内の被害者が生命や身体に対する危険を感じたことや、約1か月間も玄関にベニヤ板を打ち付けただけの状態で、不便な生活を強いられたことなどが評価されたと考えられます。

 

 

以上のように、裁判をすれば物損事故でも慰謝料が認められるケースはありますが、そういった事例は限定的です。保険会社との示談交渉だけで物損慰謝料を請求するのは困難でしょう。

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