失業者でも逸失利益を請求できる?要件と計算方法について

交通事故で有職者が後遺障害を残したり死亡したりしたときには、加害者に対して「逸失利益」を請求できます。逸失利益は、ときには数千万円、1億円を超える高額になることもあり、被害者にとって非常に重要な損害の費目です。

ただ、被害者が交通事故時、たまたま失業していたというケースもあります。そのような場合には、加害者に対して逸失利益を請求できないのでしょうか?

 

今回は、失業者が逸失利益を請求するための要件と逸失利益の計算方法について、ご説明します。

 

1.失業者でも逸失利益が認められるための要件

「逸失利益」は、交通事故で発生する損害の1種です。交通事故で被害者に後遺障害が残った場合と被害者が死亡した場合に発生します。

後遺障害が残ると、労働能力が低下するので、それまでのように効率的に働けなくなって収入が低下すると考えられています。また、死亡すると一切の収入を得られなくなるので、将来の収入が失われます。そこでこういった失われた収入を相手に請求するのが「逸失利益」です。

 

逸失利益は、「失われた収入」ですから、基本的に「事故前に働いていた人」に認められます。無職無収入の人は逸失利益を請求できません。

 

しかし、失業者であっても、たまたま事故前に失業していただけであり、就労の可能性が高かったと言えるケースもありますし、実際に近い将来、就職が決まっていた場合もあるでしょう。

このようなときには、無職者であっても逸失利益を認めるべきです。

そこで、以下のような要件を満たすケースでは、失業者や無職者にも逸失利益が認められます。

 

  • 就労意欲がある

  本人に、就労しようとする意欲が必要です。働く気がなかった人には逸失利益が認められません。

  • 就労能力がある

  意欲だけではなく、実際に働くだけの能力があったことが必要です。

  • 就労の蓋然性がある

  実際に就職活動を開始していたり内定を受けていたりして、就労の蓋然性があったことが必要となります。

 

上記の条件を満たしたら、事故当時にたまたま働いていなかったとしても、加害者に対する逸失利益の請求が可能となります。

 

2.失業者の逸失利益計算方法

失業者の場合、実際に働いていないので「基礎収入」をどのように算定すべきかが問題となります。

一般的な有職者の場合、交通事故前の実収入を基準にしますが、失業者の場合には事故当時の収入がないためです。

 

この場合、「失業前の年収」を参考にするケースが多いです。

失業前の年収をそのまま基礎収入とすることもありますし、被害者の年齢や就職可能性などを考慮して、数10%など、割合的に減額するケースもあります。

 

反対に、失業前の現実の収入が派遣やアルバイトなどで平均より少なくなっている場合には、男女別の平均賃金を用いて計算するケースもあります。たまたま失業前の年収が低かったとしても、生涯年収としてはより高額になった可能性があると考えられるためです。

 

学生などで、一度も働いた経験のない未就労者の場合、基本的に学歴別などの平均賃金を使って計算します。すでに就職が内定していた場合には、内定先の企業の予定収入を基準とする場合もあります。

 

このように、失業者や未就労者の基礎収入を算定する際には、ケースによってさまざまな方法を検討し、適切な基準をあてはめて計算しなければなりません。

 

失業者が逸失利益を請求しようとすると、保険会社から支払いを否定されてしまうケースも多いです。福岡で交通事故に遭い、逸失利益を請求できるかどうか判断できない場合や計算方法が分からない場合には、弁護士までご相談下さい。

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